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田舎では車がなければ生活できない?

 どのくらいの環境を「田舎」と呼ぶのかは人によって異なりますが、地方では駅やバス停が徒歩圏内にない住宅というのは珍しくありません。東京都内で、徒歩圏内に2駅や3駅利用可能な環境で育った人にはなかなか理解しがたいのですが、そもそも田舎は、駅と駅の間がかなり離れています。駅から次の駅まで歩くのに、1時間や2時間かかるような場所というのはそれほど珍しいことではないのです。もちろんバスが一日1本どころか、採算が取れずに一週間に1本なんて土地もあります。つまり、車があることは贅沢な事なのではなく、車がなければ出勤できず、学校に通うのも大変、近くにお店がなければ簡単に買い物難民になってしまう人がいるという環境も、現在の日本には存在しているのです。最も買い物難民は、田舎だけではなくシャッター街や大型店舗がある郊外などでも発生しています。買い物難民は田舎だけの問題ではないので置いておくとして、仕事のための移動手段の確保は田舎でも大きな問題です。自力で通勤できるかどうかで、選べる仕事にも大きく影響してしまうからです。田舎で仕事をして、田舎で生活していきたいというのであれば、車が必要不可欠という人は少なくありません。こうした仕事での影響がある人は、まさしく車がなければ田舎では生活していけない、ということになります。
 仮に車がないとなると、もちろん田舎とはいえ車以外の交通手段が使える場所に住むか、交通手段は不便でも、買い物などの日常生活には問題のないところに住むか、車など自力で移動する手段が必要になります。必ずしも車が必要とは限りませんが、車があったほうが、住む場所や生活手段など、その選択肢は広がるのです。
 ただ、今は宅急便や宅配便を活用すれば、よほどの離島でも無い限りネット通販で多くのものを揃えることができます。生鮮食品などは車がなければ入手できない場合もあるでしょうが、それ以外は配達してもらうことで買い物はまかなえるでしょう。田舎では、顧客の絶対数が少ない、小さなお店は無料で配達サービスをしてくれるお店もあります。コンビニであっても、田舎は配達を引き受けてくれるところもあります。高齢化が進んで、地域住民の多くが高齢者というような地域では、車の免許を持っていない人も多くいます。現代は免許の取得は、あって普通という状態ですが、ご年配のかたは以外と運転目免許をお持ちではありません。ですから、高齢者の見守りなどと同時に、商品の配達などを行なう事業者には助成金がでることもあり、こうしたサービスは今後も増えていくはずです。
 ですが車の少ない道路で、のんびりした気持ちでドライブを楽しむのもなかなか乙なものです、可能であればぜひ、車のある生活を視野にいれてみて下さい。車はぜいたく品という今の風潮には逆らってしまいますが、生活に密着したものであれば、決して贅沢なものではないのではないでしょうか。

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