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「田舎は物価が安い」はウソ

 都道府県別の物価水準を見ると、人口の多い都道府県ほど高い、これは現実です。ですが、一口に田舎だからといって、いろいろなものが安く買えるとは限りません。現在団根世代の人に注目されている、リゾート地への定住ですが、リゾート地はもともと物価がリゾート価格で、街中に比べると割高になっています。日本中どこでも、インフララインは整備されているようなイメージを持っているかもしれませんが、下水や共同浄化槽がない場所もありますし、水道料金にも地域格差があります。下水道料金は、基本的に人口の少ない土地ほど高くつきます。また、都心部や中心街にあるような激安スーパーも地方にはありません。価格競争が激しくない地域では、あまり物価は下がらないのです。ただし、不便な場所や人気のない場所は土地が安い、それだけなのです。ですが考えてみれば、「住む場所」というのはとかくお金のかかるものです。関東圏内の、車がなくても生活に不便を感じないような場所に中古マンションを購入するのと、ちょっと不便な場所にある中古のリゾートマンションでは、同じ広さ、同じ築年数のものであっても販売価格に10倍の差がある物件などは珍しくもありません。もちろんリゾートマンションも物件によっては管理が行き届かない所や、交通手段が限られている、定住するには不便、などの難あり物件もありますから、特にリゾートマンションをお勧めしているわけではありません。ただ、田舎であれば、安い価格で終の棲家を手に入れて、住まいにかけるお金を、豊かな生活を送るためのものに使うという選択肢もあるということです。
 物価指数を都道府県別に比較すれば、もちろん東京が一番高いのですが、一番物価指数が低い都道府県であっても全国平均と10%も差があるわけではありません。また何でも安いというわけではなく、ものによっては東京で購入するよりも高くなってしまうものも必ずあるのです。何にお金をかけて、どんな豊かな生活を送りたいのか、明確なビジョンがなければ、田舎の物価は安い、そんな風には思えないかもしれません。

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