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田舎で暮らすなら、医療環境をチェック

 若いうちにはそれほど気にしないものですが、終の棲家を「田舎」に持ちたいのであれば、その地域の医療環境は十分に吟味する必要があります。何らかの持病を持っているのであれば、周辺に通院できる医療機関が必要ですし、現在健康であっても、いざという時のことは考えておかなければいけません。これは田舎暮らしをしていく上で必ず考えておかなければいけない事です。
 日本であれば、今はどの地域に住んでいても医療が受けられないということはありませんが、明確に地域による医療格差は存在します。また、同時に介護格差も存在します。田舎に暮らすというのであれば、そうした格差を受け入れる覚悟がどうしても必要なのです。
 最近は、産婦人科の閉鎖が相次ぎ、地元で出産できない人が増えてきています。田舎に限ったことではありませんが、やはり地方ほど医師不足が深刻で、受けたい医療を受けることができない地域は珍しくありません。また、今現在、移住したい場所に病院や診療所があっても、病院の閉鎖も全国的に珍しいことではなくなりました。  医師不足以外にも、田舎ほど高度な医療をうけにくいという問題もあります。人口密度が低い場所は、病院側も設備投資を回収しにくくなりますから、ある程度の患者数が見込めるところでなければなかなか導入できない医療機器は増えていきます。そのため、必要な医療を受けるために1時間、2時間かけて病院にいかなければいけない場合も出てきます。それが長期間の通院となると、かなりの負担となるのは間違いありません。
 ですが、医療制度の面では便利な土地に負けてしまうとはいえ、平均余命はむしろ田舎と呼ばれる都道府県のほうが長いことも多くなっています。もちろんすべての田舎がそうとは限りませんし、個人個人の生活習慣によっても変わってきますが、都会に比べて医療格差がある田舎のほうが、健康で長生きできることも多いようです。
 田舎に行くと驚くのは、お年寄りが元気だということです。若いころから農業や漁業など、体を使って働いてきた人たちは驚くほど健康な人が多く、70歳を超えても現役で働いている人も珍しくはありません。また、田舎はコミュニティが濃厚なこともあり、人づきあいという面では生活を楽しんでいる人が多いように見えるのではないでしょうか。もちろん都会での生活を楽しみ、満足のいく人生を送っている人も大勢います。ですが田舎暮らしに憧れて田舎暮らしを楽しむのであれば、楽しんで暮らすことだけではなく、安心して暮らしていける環境かどうかも確認する必要があります。

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