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方言が使えなければ難しい?

 地方にいくと、言葉が通じないというのはよくある話ですよね。テレビを見ていても、地方でご年輩の方が使っている言葉は、その地域の人でもわかりにくいものがあるくらいですから、字幕がなければ意味が分からないようなものも数多く存在しているわけです。また、同じ地域に住む人であっても年代が異なれば方言も異なります。特に沖縄はそれが顕著で、戦後に国語の教科書で授業を受けた世代と、それ以前のお年寄りでも話す言葉が違います。他県民からしてみれば、今も十分沖縄ではすてきな方言が使われている印象なのですが、お年寄りと子供では、通訳がいなければ話が通じないというようなこともあるのです。ちなみに沖縄の人気番組、「琉神マブヤー」は、沖縄で放映される時点ですでに字幕入りなのだそうです。
 なんていう話をすると、田舎で言葉が通じるのか心配になる人も出てくるかもしれませんね。ですが、たいていの人は、しゃべりは方言であっても、「聞く」場合は標準語で意味が分かってもらえます。今は方言利用に抵抗をもつ若い人はあまりいませんが、日本でも昔は標準語を話せない、「なまり」のある発音や言葉は恥ずかしいと考える風潮がありました。方言が薄れてきた原因の一つはそれです。それでは何と比較して、「なまっている」と判断するのかというと、テレビです。テレビが普及してから育った人たちは、方言話者であっても、標準語で話している意味は理解できます。ですからネーティブ・スピーカーであっても、標準語、もしくは標準語に近い発音は十分理解できるのです。移住した先で、方言話者と仲良くなればだんだん方言は理解できるようになりますし、いつの間にか話し方が移ってしまうこともあります。

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